「今はそれぞれのネットワークをもとに著名人に話をしているのですが、手応えはすごくあります。僕はK-POPのスターやインドネシアのインフルエンサーなどに話をしているのですが、とても反応が良い。そりゃそうだと思いますよ。自分が培ってきた影響力を使って、自分の投資ファンドがつくれるわけですから。彼らは“自分がスターでありたい”と思っているからこそ、名前貸しやどこかのファンドに参画するのを嫌う。僕たちが自分の投資ファンドを立ち上げるサポートをするということで、すごく反応が良いですね」(本田氏)

米国ユニコーン創業者のためのプライベートバンクを作る

現時点では、米国の俳優・コメディアンのケヴィン・ハート氏がGPを務めるファンド「Hartbeat Ventures」を共同で立ち上げているが、XPV Circle Fundがパートナーを選定する際には、どのような条件を求めるのだろうか。

本田氏は「情熱が何より大事になる」という。「この6年間、ファンドを組成してスタートアップへの投資をしてきた中で学びとなったのは、『パートナーに情熱があるかどうかが大事である』ということです。パートナーのコミットメント力が高いことがファンドの成功を左右すると思っているので、情熱があるかどうかが大きなポイントになります」(本田氏)

今回立ち上がる予定のXPV Circle Fundは、あくまで著名人への投資を担うためのものであり、ファンドを運営するXPV Groupとしては、創業者個人の未上場株式を担保にした低金利ローンの提供、創業者が株式を売却したい際の取引所の立ち上げなどにも取り組んでいく予定とのこと。本田氏によれば「米国ユニコーン創業者のためのプライベートバンクを作ること」がXPV Groupの大きなミッションになっているという。

「この十数年の間で個人が多様にビジネスをできるようになったと思います。著名人だけでなく、例えばスタートアップの創業者も事業をやりながら、投資をすることもできる。僕自身もさまざまなことに取り組む中で、資産が分散しすぎているのが課題だなと思ったんです。ひとりのサッカー選手がいろんなものに投資することは今までなかったので」

「今までは資産を銀行に預けておき、銀行からオファーされた投資信託や不動産投資をやって資産を管理しておけば良かった。ただ、今は資産が世界中に散らばっている。僕自身の経験も踏まえて、資産の多様性が増えてきたからこそ、著名人に特化して彼らの資産をマネジメントできるようなファイナンスカンパニーをつくっていきたいと思いました」(本田氏)