資産形成・管理という側面において、例えば本田氏はスタートアップのテレビCMに出演する際にストックオプション(SO)を発行してもらっていたほか、暗号資産などにも投資をするなど、さまざまなかたちで資産を保有していた。それらを一元管理する仕組みを提供したい、というのがXPV Groupの狙いだ。

ファンド規模は100億円以上の想定、日本展開も視野

複数のプロダクトやサービスを通じて、著名人の資産管理の役割を担っていこうとしているXPV Group。現在、ファンド組成に向けて動いているXPV Circle Fundは投資家からの反応も良く、当初の想定を超えて「100億円以上の規模になるかもしれない」と本田氏。現段階では4〜5ファンドを立ち上げる構想だが、「10ファンドを立ち上げるくらいの勢いでプロジェクトを進めていきたい」と本田氏は気を吐く。

「また、XPV Circle Fundの日本版の立ち上げも視野に入れています。戦略は同じになる予定ではいますが、細かいやり方に関しては工夫する必要がある。アメリカとは違って日本は著名人を取り巻く環境が異なる部分もあるので」(本田氏)

日本に関しては、具体的な戦略など細かいことは不明だが、本田氏は「タレントよりもYouTuberの方が感度は高いかもしれない。500万〜1000万人のチャンネル登録者がいるYouTuberと話してみたら、パートナーになり得るかもしれない」と語った。

KSK Angel Fundの立ち上げから、約6年。プロサッカー選手でありながら、投資家としてスタートアップへの投資を実行してきた本田氏。

エンジェル投資家として投資してきた数は160社以上、Dreamers Fundでの投資を含めると実に250社以上のスタートアップに投資をしてきた。「この6年間でこれだけの投資をしているエンジェル投資家はいないと思うんですよ」と本田氏は笑いながら語る。

その一方で、本田氏は「この6年間は失敗だらけでした」と前置きをした上で、「投資をするにあたって、僕はビジネスモデルは二の次にして、ファウンダーの素質に向き合ってきました。実験的な投資も含めて、さまざまな失敗をしてきましたが、その経験があったからこそ、ファウンダーがどういう素質を持っていたら成功するかが見えてきた」と語る。

この6年間で培ってきた経験をもとに“情熱を持つ人”を見極め、まずは彼らがファンドを立ち上げる際のサポートをしていくというXPV Group。成功も失敗も含め、さまざまなことに取り組んできた本田氏の新しい挑戦が再び始まる。