※編集部注 : ヤン氏への取材は「GPT-4」の発表前に実施したもののため同技術に関する言及はなかったが、3月15日にSpeakeasy Labsより「2カ月以上前からGPT-4を活用してAI講師のサービスを提供していること」が明かされている。
日本版ローンチから約1カ月「成長スピードは想定以上」
Speakeasy Labsでは韓国に続くグローバル展開の場所として日本市場を選び、2022年10月のソフトローンチを経て2023年2月に日本語版の提供を始めた。今回日本語版のローンチに至った背景についてヤン氏はこう説明する。
「人口などを踏まえても日本市場は大きなマーケットであり、(これまで展開してきた)韓国と同じアジア圏で文化的に近いということも今回の判断に大きな影響を与えました。また英語の需要自体が日本で増してきていると考えています。日本企業の海外進出やリスキリングのニーズ、転職人材の増加などの流れがある中で、英語を勉強したい人自体が増えていることも背景にあります」(ヤン氏)
日本展開にあたっては国内でインタビューなどを実施しながら市場調査をし、日本人のコミュニケーションスタイルなどを踏まえてコンテンツの細かいシチュエーションや構成を作り込んできた。
2月にはAppStoreの教育カテゴリで2位に入り、3月には一時的に1位にもランクインした。ダウンロード数などは公開していないものの「ここまでの成長スピードは社内の予想を上回っており、事業計画を上方修正している」(ヤン氏)という。
「(ダウンロード数や有料会員数については)韓国を大きく上回ると見ています。人口比率などを踏まえても市場のポテンシャルとしては大きいですし、初動を見てもかなり手応えを感じています」(ヤン氏)
“英語学習サービス”という観点では、日本の市場にはすでにさまざまな選択肢が存在する。
英会話スクールやオンライン英会話サービスだけでも複数の種類があり、イーオンのように既存の事業者がAIを活用した学習アプリを展開するような例もある。メタバースやeスポーツ、マンガなど新しい切り口で英語を学べる仕組みを作るスタートアップも出てきた。
「(複数のサービスが存在すること自体は)あまり重要ではないと考えています。それはまだまだ大きな教育の変化は起きていないからです。もちろん英会話であればデジタル技術やアプリなどによって便利になっている部分はあります。でも、大きな革命と言えるような変化までは起きていないのが現状です。独自の技術やユーザー体験において大きな変化を実現できた会社が、本当の意味で初めて成功したと言えると考えています。スピークとしてもそこを目指して、今後も研究開発やプロダクト開発に取り組んでいきます」(ヤン氏)