1.5億円の資金調達で事業を加速

現状としては「8割ほどは素材の研究開発に取り組んでいる段階」(亀井氏)。研究開発は本社のあるロンドンで進めているが、試作や販売に向けた大量生産の準備はヨーロッパと日本を含めたアジアの双方で進めている。

亀井氏によると北陸地方の企業は世界でも高い水準の生産技術を有しており「実際にいろいろなブランドでも使用されていて性能が良い」という。

AMPHITEXの表生地に使われる撚糸
AMPHITEXの表生地に使われる撚糸

「縫製工場がアジアにたくさんあるため、アパレル製品はアジアで作られることが多く、日本を含めたアジアに対する理解がある人が会社にいることは重要だと感じています。一方で実際の商品を手に取る人は先進国の方が中心ですし、環境負荷の規制となると、(規制が進んでいる)ヨーロッパに身を置いていることも大きい。偶然が重なったかたちではあるのですが、今の自分たちには良い要素が揃ってきていると考えています」(亀井氏)

見据えるのは2024年の商用化だ。2024年には量産できる体制を整え、ブランド側に提供できる土台を整える計画。2022年から2023年にかけて繊維商社の豊島のほか、Dawn CapitalやPDS Ventures、Mistletoe Japanから1.5億円を集めた。

法規制によって戦国時代になりつつある防水素材の領域に変革を起こす。AMPHICOの挑戦は始まったばかりだ。