今回提供を開始した月額480円の有料プラン「B/43プラス」は、家計管理を強化したメンバーシッププランという位置付け。第一弾として限定デザインのカードや複数の新機能を提供するほか、今後も継続的な機能追加を予定しているという。

第一弾では、支払い明細の振り分けや明細への画像添付、支出のカテゴリーのカスタマイズなどの機能を提供する。これらの機能は既存ユーザーからの要望なども踏まえて追加したもので、「(第一弾に関しては)ヘビーユーザー向けに、コアな機能をアップデートした」(堀井氏)という。

新プランのUIイメージ
B/43プラスの画面イメージ。限定カードに加えて、複数の新機能が提供される

例えば通常のB/43の場合、1つの店舗での支払いは1つのカテゴリーに分類されるが、B/43プラスでは支払い明細をより細かく分類できるようになる。スーパーで食品と日用品をまとめて購入した場合、これまで「食品1200円」とあくまで1つのカテゴリで分類していたものが、「食品600円、日用品600円」と振り分けられるようなイメージだ。

またB/43の特徴的な機能として、目的ごとにお金を分けて管理できる「ポケット」機能がある。定番の使い方が“貯金”ポケットを作成し、余ったお金をこのポケット内に移して貯めていくというもの。ほかにも夏休みの旅行資金をペアで積み立てたり、車など大きな買い物のための資金を貯めたりするなど、ポケットは様々な用途で使われているという。

基本プランではポケットの作成上限数は3個までとなっていたが、B/43プラスでは10個まで作成できるようになる。

B/43プラスで追加された新機能の一覧
B/43プラスで追加された新機能の一覧

今回の有料プランは、スマートバンクにとって収益化の観点でも新たなチャレンジとなる。

B/43の主な収益源はカード決済時の手数料だが、堀井氏の話では「決済手数料はテイクレート(自社の取り分)が低いため、ここだけで黒字化をさせたり粗利を稼ごうとすると、とんでもない規模(の市場)を作らないといけない」構造になってしまうという。

「そのため海外で先行しているチャレンジャーバンクなどでは、決済手数料だけでなくユーザー課金や後払いを組み合わせて収益化をするのが鉄板の手法になっています。今回マネタイズのモデルをハイブリッドにしたことも1つのチャレンジで、ようやく少し海外の先行事例に追いついてきたというか、近いかたちのモデルを作れたと考えています」(堀井氏)

決済や支出管理に関連するFintechサービスについては日本でもUPSIDERやバクラク(LayerX)を筆頭に法人領域が賑わってきているが、スマートバンクとしては「得意な領域でもあるC向けのプロダクトを突き詰めていく」のが大枠の方針だ。