「メルカリの六本木オフィスは契約上数年先まで解約できない状態にあり、昨年まではコロナの感染状況を見ながら対応を判断してきました。ただ今年に入って人材の採用を再開していくにあたり、『会社のワークスタイルを明確にした方がいいのではないか』という話から、YOUR CHOICEへの移行が決まりました」(青柳)

青柳氏によれば、現在メルカリのリモートワーク比率は8割ほどで、オフィスに出社する人の割合は2割ほどになっているという。コロナ禍前は出社が当たり前だった中、メルカリはどのようにリモートワークに対応していったのか。

「定期的にサーベイを実施するなど、リモートワーク前提のワークスタイルに順応するまでには時間がかかりました」と青柳氏は語る。そのほか、リモートワークの環境は人それぞれ異なるため、メルカリはリモートワーク手当ても出し、環境整備に力を入れた。

「慣れるまでは大変でしたが、リモートワーク前提になったことで生産性は劇的に上がっていると思います。また社員のメンタルも良い状態が継続していると思います」(青柳氏)

メルカリ上級執行役員の青柳直樹氏
メルカリ上級執行役員の青柳直樹氏

また、メルカリはコロナ禍でも積極的に採用を進めていくにあたって、入社後のオンボーディングの仕組み化にも注力。「会社のいろんな仕組みを言語化したほか、経営陣が考えを話しているものを録画して空き時間に見てもらうようにしています」(青柳氏)

言語化という点に関して、メルカリは先日、社員同士の「共通の価値観」をまとめた社内向けのドキュメント「Mercari Culture Doc」を公開している。

「リモートワークが普及したことで、もはや職場と家庭が一体になっています。そうした環境の中、社員にモチベーションを維持してもらうためにも、家庭でのメルカリの仕事の見え方は意識しています。家庭内で『良い仕事をしているね』となると、仕事への理解が得られてストレスが減ると思うので、そういうサポートは手厚くしていきたいです」(青柳氏)

じげん:Purposeを設定、「背中を見て学ぶ」から「オンライン講義」へ

求人・住まい・車・旅行などのライフイベント領域で、ウェブメディアの運営や関連サービスなどを提供しているじげん。同社は新型コロナの影響を受け、経営の危機に陥ったという。

「旅行事業と求人事業のの売り上げが一気に減り、12期連続での増収増益から、減収減益という状態になってしまいました。そのため、組織マネジメントというよりかは、いかに会社を存続させるか、が重要になった。まずは会社の立て直しから考え始めました」(平尾氏)