「まさにAWSのような世界観で、APIのみを提供する仕組みを用意したいと考えています。米国ではStripeや今年上場したMarqetaが、スタートアップを後押しすることで自分たちも一緒に成長していきました。足元では大手企業向けに注力しつつ、日本経済を盛り上げていくためにも、スタートアップの支援にはチャレンジしていきたいです」(林氏)

中期的にはサービスの収益源も従量課金の割合を増やしていく考えだ。

現在は初期導入費と月額固定費が占める割合が多いが、ゆくゆくは月額固定費と従量課金の割合を8割前後まで高めていく構想。初期導入費が下がれば顧客が金融サービスに挑戦する際のハードルはさらに低くなる。またFinatextの目線でも、顧客のビジネスが成長するほど自分たちの収益も増えるため「同じ船に乗って、一緒に頑張る構造」が作れる。

これらの取り組みによって強固な事業基盤を作りながら、長期的には証券や保険に次ぐ新たな領域にも参入する。たとえば融資や決済といった領域は、証券など他の分野とも相性が良く、進出を検討している領域だ。

特に日本では11月1日、法改正により「金融サービス仲介業」がスタートした。従来の仲介業では銀行や証券、保険など業界ごとにライセンスを取得する必要があったが、金融サービス仲介業では1つのライセンスさえあれば横断的にサービスを提供できるようになる。

事業者がさまざまな金融サービスを立ち上げる意欲が高まれば、Finatextのビジネスチャンスも広がる可能性があるだろう。

「(Embedded Financeの文脈のような)非金融系の事業会社による金融サービスについては、まだ大きな成功例が出ていない状況です。当社でも『エンドユーザーにものすごく使われている』というレベルの事例はまだ作れていません。成功例がいくつか出てくれば間違いなく市場は広がっていくはずなので、まずはその事例をしっかり作っていきたいです」(林氏)