気が利く人が出すサイン

 こういったコミュニケーションの勘違いをされないために、気が利く人がやっているのが「サインを出すこと」です。

 たとえば、真面目な相談を受けている際も、真剣な表情だけでなく、相槌を打ったり、返事をしたりするのです。そうすることで、「ただの無表情」が「真剣に聞いている顔」に変わります。

 同様に、楽しい旅情の報告話を聞いているときは笑顔で話を聞くことに加えて、「どう楽しかった?」「おすすめは?」など、適宜質問を挟むことで、相手を安心させることができます。

 つまり、気が利く人というのは、気の利く考え方ができるだけでなく、それをさりげなく表現できるのです。もちろん、大袈裟にやるのはNGですが、感情をしっかりと表に出すことはなんの問題もありませんし、むしろその方が相手は喜びます。

 私のいるお笑いの世界を見ても、売れっ子になっていく芸人は皆この能力に長けており、一緒にいると、つい話を聞いてほしくなります。このように「一緒にいたい」と思われる人が持っている大きな特徴ですので、ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。