具体的には、みなし仕入れ率が大きい卸売業や小売業は有利になる可能性があります。また、消費税の対象とならない人件費が多くかかる事業(士業やコンサルタント業など)も簡易課税が向いています。

 また、インボイスの影響で、これまで免税されていた事業者が課税事業者になる場合も、簡易課税で節税になる可能性があります。経理処理も楽ですから、まずは簡易課税から検討するのがオススメです。

 簡易課税の場合、売上側(請求書を出す側)はインボイスが必要ですが、経費側(領収書やレシートをもらう側)はインボイス管理が不要になります。

 最後に、簡易課税にするうえでの注意点をお伝えします。次の3点です。

・簡易課税を選択すると、その後2年間は継続して適用しなければいけない
・制度の適用を受けようとする課税期間の前日までに、税務署に届出が必要
・基準期間(前々事業年度)の課税売上高が5000万円を超えると、本則課税が適用される

(本原稿は『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』から一部抜粋、追加加筆したものです)