「食べる前のイメージと食べたあとにどうだったのか」の“ギャップ”が、プラスに振れるかマイナスに振れるかどうかで、その食品の好き嫌いが決定づけられるという理論です。
食べる前のイメージより、食べたあとの結果がマイナスに振れれば振れるほど、食べることや口に入れることが嫌になったり、怖くなったりします。そして、その「嫌だ」「怖い」と体験した食材を拒否するだけではなく、“その人”がすすめたもの自体を全般的に警戒して食べなくなることすらあります。
子どもは往々にして、今まで好き好んで食べていたのに、突然パタリと食べなくなったり、拒否したりすることがありますが、これも「マイナスギャップ」が主な原因です。
たとえば、ヨーグルト好きの子が、いきなり食べなくなるケース。
その子にとって好きな“いつものヨーグルト”を用意できず、やむを得ず別のヨーグルトを用意したとします。
そのとき「これはいつもと違うヨーグルトだからね」などひと言添えられたらよいのですが、何も予告や注意がないと、「いつものおいしいヨーグルト」という食べる前のイメージと、食べてみたときの「いつもと違う味だ!(しかもおいしくない)」という結果の間に、大きなマイナスギャップが生まれます。
こうなると、「ヨーグルトを食べるのが怖い」というように(今まで好んで食べていたものを含め)ヨーグルトそのものを拒否するようになるのです。
「苦手なもの」を告知することのメリット
「マイナスギャップを感じそうなものがある場合は、必ず予告をする」と、マイナスギャップ→食べられないものが増えてしまうという流れは断ち切れます。
また、これを重ねていくと安心して食べられることにもつながり「(試してみたら)意外とおいしかった!」など、プラスギャップを生むことも増えていくでしょう。
「苦手を予告したら、食べなくなるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、それは長い目で見たら逆です。
騙したようなかたちで食べさせると“その人”がすすめたもの自体を全般的に警戒して食べなくなりますが、反対に苦手をしっかり予告することで、すすめたものに口をつけてくれることが多くなるはずです。
苦手な食べ物を予告すると子どもは「この人は、自分が苦手なものを事前に教えてくれる!」と、その相手に信頼感を抱きます。つまり、予告の積み重ねが子どもとの信頼関係の構築につながるのです。信頼関係があるからこそ、「この人がすすめてくれたものなら、安心して口をつけられる」と子どもは感じます。
「おいしいよ!」と言って、子どもに食べることをすすめる大人がいますが、この言葉も注意が必要です。
「おいしいよ」という言葉を信じた子どもが、その食材を食べたとします。もしも、子どもにとってそれがおいしくなかった場合「この人は、うそつきだ」ということになり、「この人がすすめたものは、食べないようにしよう」と、思う可能性がとても高くなり、子どもとの信頼関係が崩れる恐れもあるのです。








