「うちの子は食べる量が少ないけど、本当に減らして大丈夫なの…?」と、疑問や不安が出てくる方もいらっしゃると思いますが、次の3つのいずれにも該当しない場合は、大丈夫です。

(1)成長曲線と照らし合わせたとき、ここ数カ月間の身長と体重の伸びが極端に悪い
(2)成長曲線の平均値と照らし合わせたとき、身長に比べて体重の値が極端に低い
(3)食べ物を喉につまらせたり、吐いてしまったりしたことで、一時的に食べることが怖い状態になってしまっている

 仮にお子さんが小食だったとしてもこの3つのケースに当てはまらないのであれば、“減らす”を考えてよいでしょう。

 お腹が空いているときに食事をとるとおいしいですよね。お腹が空いているタイミングで、苦手なものを食べると「おいしい」と認識が改まることがあり、その食べ物の印象がよくなって偏食が改善されることもあります。

 偏食で多種多様な栄養がとれないときは、食べられない食材の代替食品を探してみましょう。たとえば、野菜が食べられずビタミン不足が気になるのなら、子どもが食べられるものの中で、ビタミンが豊富なもの(果物など)を探します。すべての栄養素をとる必要はありませんが、「タンパク質」「糖質」「ミネラル・ビタミン」が、なんらかのかたちでとれると安心です。

子どもを「騙さない」のが大事です

 偏食を改善する上で、どんなときでも大事なのが、「子どもを騙さないこと」です。

 たとえば、野菜が苦手な子に対し、「野菜をみじん切りにし、ぱっと見でわからないようにしてハンバーグに入れて、何も言わずに食卓に出す」という対応も、「子どもを騙す」1つの例なのです。

 子どもが気づかずに、野菜入りハンバーグに口をつける可能性は大いにあります。しかし、もし「中に野菜が入っていること」がわかったら、子どもはショックを覚え「騙された」と感じて、野菜はおろか、次回からハンバーグすら警戒して食べなくなる可能性もあります。

 これは私が相談を受けた方の家庭で実際に起きたことなのですが、この話は、“好き嫌いのギャップ理論”を説明するときによく使っています。