騙したようなかたちで食べさせると“その人”がすすめたもの自体を全般的に警戒して食べなくなりますが、反対に苦手をしっかり予告することで、すすめたものに口をつけてくれることが多くなるはずです。

 苦手な食べ物を予告すると子どもは「この人は、自分が苦手なものを事前に教えてくれる!」と、その相手に信頼感を抱きます。つまり、予告の積み重ねが子どもとの信頼関係の構築につながるのです。信頼関係があるからこそ、「この人がすすめてくれたものなら、安心して口をつけられる」と子どもは感じます。

「おいしいよ!」と言って、子どもに食べることをすすめる大人がいますが、この言葉も注意が必要です。

「おいしいよ」という言葉を信じた子どもが、その食材を食べたとします。もしも、子どもにとってそれがおいしくなかった場合「この人は、うそつきだ」ということになり、「この人がすすめたものは、食べないようにしよう」と、思う可能性がとても高くなり、子どもとの信頼関係が崩れる恐れもあるのです。