2024年3月期に過去最高益を予想する関西電力。23年3月に処分が出たカルテル事件では大手電力4社の中の“主犯”と認定されるなど、23年前半は不祥事対応に追われた。特集『総予測2024』の本稿では、関西電力の森望社長が「電気代値下げ」はあるのか否かに回答。さらに、使用済み核燃料の中間貯蔵施設をどう確保するのか、業界団体である電気事業連合会の会長職に対する意欲はあるのかを問うた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
期ずれ差益などで業績絶好調
電気代の値下げ判断は?
――2023年は競合他社の顧客情報の不正閲覧問題、カルテル処分があり、引き続き対応に追われました。
特に前半、不適切な事案が続きました。国からも業務改善命令を頂戴しており、再発防止策を講じてしっかり進めていくところであります。多くの皆さんにご心配、ご迷惑をお掛けしたことを改めておわび申し上げます。コンプライアンスを順守する企業になっていく強い思いを持って対応しています。
――24年はどんな年にしたいですか。
今申し上げた不適切な事案への対策をしっかり継続的にやります。将来に向けた挑戦もしていかないといけません。電気事業だけではなくてグループでは不動産とか情報通信もやっていますが、こういう領域、さらにそこから広がる領域でも成長していきたいと思います。
――期ずれ差益や原子力発電所の稼働率アップで24年3月期の業績は絶好調です。第2四半期決算会見では、「電気代値下げは為替や燃料価格の変動などを考慮し慎重に見極めて総合的に判断する」とのことでした。現時点での見解は?
次ページでは、業績絶好調で「電気代値下げ」があるのか否かに、トップ自ら回答。さらに、使用済み核燃料の中間貯蔵施設をどう確保するのか、業界団体である電気事業連合会(電事連)の会長職に対する意欲はあるのかを問うた。