理系学生と企業をつなぐLabBaseは大きな目標を成し遂げるための1つのソリューションに過ぎない。最終的には、研究者の抱えるあらゆる課題を包括的に解決する、一気通貫のラボテックスタートアップを目指しているという。

本当に求める理系学生を探せるサービス

 さまざまな課題を持つ研究者の環境のうち、まず就職活動の課題解決を目指したのが、LabBaseだ。どこの研究室にどういう学生がいてどういうキャリアを持っているのか、キーワード検索するだけですぐにわかるもので、POLの主力事業になっている。

 登録社数は150社ほどで、大企業とベンチャーの割合は5対5だ。大学とのコネクションが弱いベンチャーが人材に困るのは分かるが、大企業でのニーズも多い。

 前述のとおり、理系の求人の場合、求める人材がピンポイントであるためだ。例えば、機械系に強い会社では機械系の学生は容易に集まるが、専門分野が異なる学生は応募してこないという事態が起こってしまう。そのため、ネームバリューのある大企業であっても、自社の強みとは違う分野の学生は、なかなか採用しにくくなってしまうのだ。

日本の研究市場を救う?現役東大生が見つけた「ラボテック」の威力LabBaseに掲載される学生のプロフィール画面 画像提供:POL 拡大画像表示

 しかし、LabBaseだと詳細な専門分野ごと就活中の学生を検索できるので、企業は自社が求める人材を的確に探し出してアプローチすることができる。

「学生に直接連絡することができて、返信率も高いです。通常のナビサイトだと1~2%の返信率が、LabBaseだと20%ほど。また、全国の研究室について理解しているカスタマーサクセス部門が、どのようなコミュニケーションを取ればいいかサポートをしています」(加茂社長)

 社員45人のうち10人をカスタマーサクセスに当て、サポートしている。「AI人材が欲しい」という企業があれば、学会情報や適性のある学生を探し出してリコメンドするなど、きめ細かい対応をする。案内文やダイレクトメールの文章を読んだ学生の感想も企業にフィードバックしている。学生と企業のどちらの視点もよく理解しているからこそのンサルティングだ。

学生にとっては、“就活しなくていいサービス”

 LabBaseは学生にとってもメリットがある。

「学生にとっては、“就活しなくていいサービス”なんです。理系学生の多くは研究に集中したいため、就職活動にできるだけ時間を割きたくない傾向があります。LabBaseは登録しておくだけで企業から連絡がくる。研究に集中しながら、キャリアの選択を広げられます」(加茂社長)

 現在、学生の登録は1万5000人以上。POLが定義する研究力の高い上位大学の学生のうち、3人に1人が利用している計算だという。