サービスのローンチから間もなく、always LUNCHに掲載されたばかりの店舗に、予想以上のお客さんが来店したことがあった。来店は止まらず、結局当日分だけではなく、翌日分の食材まで使い切ってしまったのだという。調理で忙しい飲食店は電話に出ることも、メールを見ることもできないため、完売をアナウンスすることすらできなかった。サービスの盲点だった。

 飲食店に負荷なく、即座に完売をアナウンスするためにはどうすべきだったのか。飲食店にヒアリングを重ねた結果、強化したのはカスタマーサポートチームだった。すべての飲食店と個別でLINEグループを作り、問題や提案に即座に対応できるようオペレーションを改善していった。

 東京からではなく、地方からサービスを広げるメリットについて鶴岡氏はこのように語る。

「東京は日本の中でも特殊な場所です。サービスが拡がりやすい反面、後戻りができなくなってしまう側面があります。地方で導入するから見えてくること……たとえばインバウンド向けの新サービスが積極的に利用されている京都で見えてくること、飲食店と人が密集した大阪で見えてくることなど、東京以外から始めることで見えてくることも多い。日本を俯瞰(ふかん)して見て、スタート地点を判断する。東京からスタートすることが正解ではないと思います。

成功するサブスク、失敗するサブスク

 動画や音楽を筆頭に、多様なジャンルで導入の進むサブスクリプション。鶴岡氏にその未来を聞いた。

「サブスクが成功するためには、いくつか法則があることが分かっています。例えば、『月3万円で自動車が乗り放題』というのは難しいでしょう。それはサブスクではなく、リースに近い。定期契約になるだけの仕組みはもはや浸透し辛いと思います」

「重要なのは、破壊的な価格設定と選択肢の提供です。サブスクは、統計学の側面が大きなビジネスモデルです。エリアの人口や男女比、リテラシー偏差値などから、ある程度結果を予測することができます」(鶴岡氏)

 加えて重要なのは、価格のバランスを見極めることだ。安すぎても高すぎてもうまくいかない。また、always LUNCHで提供する「ランチ」のように、ユーザーに適切な選択肢を提供できる領域でこそ効果を発揮していくという。

Photo by Y.U.Photo by Y.U.

サブスクリプションが実現する「今より公平な未来」

 もし、さまざまなジャンルのサブスクに溢れた未来が到来したら、人の生活は今よりも幸せになれるのだろうか。そんな問に対して、鶴岡氏はこうに語る。

「今よりも公平な未来を実現するんじゃないかと思っています。例えば、飲食店はネットの評価に大きく左右されますよね。でも、あれって正しいのでしょうか。本当に美味しいお店や丁寧な接客のお店でも、過小評価を受けていることは多いと思っています」(鶴岡氏)