長期の米国債利回りが今より高く(価格が安くなる)なるはずだと考えられる理由はいろいろある。例えば、米連邦準備制度理事会(FRB)は来年、投資家が織り込んでいるほど利下げしないかもしれない。さらに、10月以降の利回りの落ち込みぶりは、米国債の買い持ち高が大きく積み上がっていることを示唆している。だが、インフレ率の低下が続けば、来年の今頃には利回りがさらに低下していることもあり得る。米商務省は22日、FRBがインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数の11月分を発表した。それによると、季節調整済みで前月比0.1%低下となった。前年同月比では2.6%上昇と、10月の2.9%上昇から伸びが鈍化した。その一因はガソリン価格にあるが、食料品価格とエネルギー品目を除いたコアPCE価格指数でも前年同月比3.2%(四捨五入前では3.16%)上昇と、2021年3月以来の低い伸びとなった。コア指数の過去6カ月間の上昇率は年率1.9%にとどまった。FRBはインフレ目標を2%と定めている。