狭いエリアに集中して物件を探せ

 以上のような数字はあくまでも、その物件が置かれた外部環境のことで、当然物件固有の力で人口が減少するエリアでも満室経営ができる場合もあるでしょうし、管理の状態などによっては需要が多いエリアでも空室、賃料下落などが発生することもあるでしょう。市単位で見れば人口は減少していても、より狭いエリアにおいて都市開発によって周辺地域から人が集まってくることもあるでしょう。
 でも、外部環境を知っているのと知らないのとでは、投資エリアの選択も違ってくると思います。ご参考になればと思います。

 不動産投資においては、狭いエリアに集中して、物件を探していくことが重要です。
 そのエリアを深く知れば知るほど、情報も集中してきますし、他の投資家が見落としている機会を発見できる可能性も出てくるものです。

 ある物件は、駅からバスで15分の更地であったため、あまり見向きもされずに長期間レインズ(不動産流通機構)で棚ざらしの状態にありました。
 僕が現地に見にいってみると、実はその土地は国立大学の正門からわずか2分の位置にあり、大学から最寄駅まではかなり離れているため大学周辺での学生の需要が非常に高いということがわかりました。それで、ボリュームプランを入れてみると、新築でグロス12%以上の利回りが見込めるものであったため、「通販大家さん」会員の方に紹介しましたが、一瞬で売れてしまいました。

 これなども、不動産検索サイトなどの物件の図面を見ていただけでは、「駅からバス15分の更地」としか出ていないわけですから、なかなか触手が動かないでしょうが、そのエリアを深く知っていたことから、現地を見て、いけると判断してのことでした。
 不動産においては、情報は全員に完全に行き渡っていません。情報が非対称であるからこそ、特定のエリアを深く知って、現地を見て立地特性を判断して、個別の要因で隠された需要がある物件を発掘してくることが大切です。

(次回は4月1日更新予定です。)


◆発売後たちまち増刷!

価格:¥ 1,575(税込)
判型/造本:46並製
ISBN:978-4-478-00183-7

『改訂版 不動産投資の破壊的成功法――どんな状況でも勝てる不変のルール』

旧版出版から8年、環境変化により「1年で10億つくる」ようなハイリスク・ハイリターンは成り立たなくなったが、優良物件を見極めることにより安 定収入の確保と節税メリットを享受する成功者たちは存在し、本書の基盤となる考え方はいつの時代にも成り立つ。東日本大震災を踏まえた最新事例と、投資の 考え方を紹介。
 

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