予期せぬ災害に備え、お金に関する準備は万全にしておきたい。現金はもちろん、必要なお金がすぐに引き出せる口座や、スマホが使えるなら役立つアプリ、地震保険のことなど、有事を想定して今できるお金のリスク対策を考えていこう。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)
ゆうちょ銀行は20万円まで
通帳やキャッシュカードなしで払い戻しOK
2024年1月1日に能登半島を襲った最大震度7の地震は大きな被害をもたらし、「激甚災害」の指定を受けた。多くの方が被災し、先の見えない避難生活を送らざるを得ないことに、心が痛む。多方面からの支援が急がれるが、被災地に向かえないわれわれは寄付などで、今できることを続けていきたい。
災害は他人事ではないのは言うまでもない。もし、わが身が被災したら、必要なお金はどうなるのか。
避難の際にお金を持ち出せなかった人は多いだろう。日本銀行は1月4日に被災地の金融機関に対し「災害時における金融上の特別措置」を出し、被災者の預金や有価証券の払い戻し・売却に関する要請を出した。預金者本人であるとの確認が取れれば、通帳やキャッシュカードなどがなくても払戻し等に応ずるというものだ。
ゆうちょ銀行は20万円まで可能、その他の金融機関は、東日本大震災時には10万円までとしていた。もし、有事の際に少しでも多くの現金を引き出そうと思うのなら、ゆうちょ銀行に口座を持ち、その他の銀行も複数保有しておくといい。
正月ということもあり、帰省先で被災した方も多かっただろう。金融機関やコンビニATMも都市部ほど多くないと考えられ、そうなるとやはりゆうちょ銀行の存在感は大きい。あくまでリスク管理として考えるなら、ゆうちょ銀行に「いざという時用貯金」を保有しておくことも有効といえるだろう。