耐震改修に多くの自治体が補助金
使える公的補助は活用すべし
多くの自治体では、災害時の住まいの被害を軽減させるための支援制度を行っている。東京都では地震火災の被害を抑える目的で、木造住宅密集地域(木密地域)を不燃化するための助成を各区で行っている。老朽化した建築物の撤去費用や建て替え費用に補助金を出すというものだ。
さらに建物の耐震改修費用の補助も、多くの自治体が行っている。その効果は建物の安全を高めるためだけではない。地震保険の保険料には割引制度があり、建物の免震・耐震性能によって割引率が異なる。
しかし、1981(昭和56)年6月1日より前に建てられた旧耐震基準の建物では割引を受けることはできない。これは、高血圧や喫煙歴がある人だと疾病リスクが高いと判断され、生命保険料が高くなるのと同じ理屈だ。耐震改修によって、地震保険の保険料を抑えることができるのだ。
また、地震で倒壊することが多いブロック塀の撤去や補強工事に助成金を出す自治体もある。今後家のリフォームをするなら、公的な助成制度を調べた上で、使える助成金・補助金は確実に利用して防御したい。
被災された方々、そしてわれわれも、地震が起きる直前まで、昨日と同じ日が今日も明日も続くと信じて疑わなかったはずだ。しかし、それがいかにもろいものかを現在目の当たりにしている。リスクに備えることは、待ったなしなのだ。