新NISAで変わるポイント勢力図、2024年の動きを丸ごと予習!JRでもポイント関連の新サービスが続々。台風の目となるか (写真はイメージです) Photo:PIXTA

あらゆるものの値上げにほんろうされた2023年が、終わろうとしている。生活防衛の手段として、“ポイ活”への注目が高まった年ともいえるが、2024年はどうなるだろうか。来年に起きてくるだろうポイント業界のイベントについて、ざっと予習しておきたい。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

楽天証券vs.SBI証券
クレカ投資でゲットできるポイントは?

 まずは、1月から始まる新しいNISA。あらゆるメディアで解説されているので、制度の詳細は省くが、若年層にとっては老後に向けての資産づくりというメリット以外にも、効率よくポイントを稼ぐ手段として人気がある。

 投資信託を積み立てる際、その購入金額をクレジットカード決済することで、毎月ポイントがゲットできるからだ。

 クレカ投資はすでに一般的になってきているが、ポイント付与や還元率は証券会社ごとに異なる。現行NISA口座数が業界1位の楽天証券は、カード決済での付与が0.5~1%(一般カードは0.5%)、それに加えて「投信残高ポイントプログラム」の対象となる4本(2本は2023年12月22日より対象)の投資信託の各月の保有残高に応じて年0.017~0.053%が翌々月末に付与される。ポイントはむろん、楽天ポイントだ。

 ライバルであるSBI証券では、カード積み立てができるカードは多種あり、還元率もおのおので異なる。一般的な三井住友カードの場合は0.5%、投信の保有残高に応じて毎月受け取れるポイントは年0.1~0.15%(残高が1000万円未満)。三井住友カードで積み立てした場合、受け取れるのはVポイントとなる。

 なお、PayPayのヘビーユーザーなら、PayPay証券×PayPayカードによる「クレジットつみたて投資」も選択肢に入れていい。購入金額の0.7%のPayPayポイントが還元される。

 あくまでポイ活という視点で見ればだが、どの証券会社が得かというより、どのポイントを貯めたいかで選ぶのがいいだろう。なんといっても強力なのは楽天経済圏だが、後で触れるが、Vポイントには大きなイベントが2024年に待っている。

 なお、新NISAではつみたて投資枠が年間120万円に広がる。単純に割り算すると毎月10万円の投資ができることになる。それに応じて、これまで月5万円までだったカード決済枠を10万円まで拡大しようという動きがある。

 早々に丸井グループのtsumiki証券は、エポスカードによるカード積み立てを、2024年1月取引分から10万円に拡大すると発表した。楽天証券は、楽天キャッシュ(電子マネー)決済で5万円、楽天カードで5万円、合計10万円の投資が現在でも可能だ。

 ただし、ポイント目的のあまり、できない無理はしないほうがいい。そもそも積み立て投資は継続できないなら意味がない。しかも、投信とは残高が増減する値動きのある金融商品であり、月10万円つまり年間120万円をすべてリスク商品に回しても問題ないという人は限られるからだ。