「そもそもなんのための仕事なのか」考える

 対して、考えて仕事ができる人は、「自分の仕事のはそもそもなんのためにあるのか」を考えることができます。

 たとえば、会社から「お客さんへの提案資料を作ってほしい」と言われたときに、その資料がどのように使われるものなのかを考えることができます。

 相手が少ない予算での提案を求めているなら網羅的な提案ではなく、少額プランの提案を手厚くするでしょうし、担当者は乗り気であとは社内決済用の資料がほしいのならば、概要や期待効果がわかるような資料にするでしょう。その逆で、考えることを放棄していると「なんとなく整った資料」を作って終わりになってしまいます。

 このように「資料作成」と言っても、目的や狙いによってアプローチは大きく異なります。

 これは私のいるお笑いの世界でも同じです。NSC(お笑い養成所)の授業で、「もっとわかりやすく笑えるところを増やして」とコメントしたときに、柔軟に考えられない生徒は、ただボケの数を増やしてきます。それも間違いではないですが、わかりやすく笑えればいいわけで、「既存のボケを強くする」「表情に変化をつける」などやり方はさまざまです。

 言われたことの目的はそもそも何かということを考えられるようになれば、仕事の幅はかなり広がります。

 意識ひとつで変えていけることですので、ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。