2024年1月24日、日本マクドナルドが店内およびデリバリーメニューを対象に、10円から30円の値上げを実施した。マクドナルドは昨今、半年に1度のペースで値上げを繰り返している。今回も23年7月の値上げ以来、半年のスパンでの再値上げとなった。「ここ2年間で5度目」という度重なる値上げを、顧客はどのように受けとめているのだろうか。また、値上げに妥当性はあったのだろうか。独自調査をもとに考察した。(プライシングスタジオ代表取締役 高橋嘉尋)
マクドナルドが衝撃の
「2年間で5度目の値上げ」
日本マクドナルド(以下、マクドナルド)が、2024年1月24日から一部商品を値上げした。このニュースに触れた読者の中には「またか」と感じた人もいるのではないだろうか。
実際のところ、マクドナルドでは2022年3月の値上げ以降、同年9月、2023年1月、同年7月、そして今回の2024年1月と、およそ半年に一度(2年間で5度)のペースで値上げを繰り返している。
短期間での度重なる値上げとあって、SNSを中心に賛否両論の声が上がっている。なかにはファストフードの「高級化」を嘆く声や、競合店への乗り換えを明言するなど、値上げを受け入れがたいとする反応も少なくない。
だが数字をひもとくと、値上げが実施された2024年1月の既存店売上高は前年同月比5.4%増、客数も同1.1%増となっている。今のところ、今回の値上げは致命的な顧客離れにはつながっていないようだ。その背景には、どのような顧客心理があるのか。一般消費者への独自調査をもとにひもといていきたい。