何の取り柄もない私が手に入れた潜在力

 高校を卒業した頃、我が身を振り返ってみて自分に何の取り柄もないことに気がついた。惨めだった。このままでは、自分の将来はきっと取るに足りないものになるに違いない。

 しかし、誰でも自分が望む人生を生きたいと思っているはずだ。生まれつき太っているからといって、バレリーナになることを夢見てはいけないなどと、どうして言えるのか。一流のバレリーナになろうがなるまいが、自分の望みを追い求める権利は誰にでもある。

 私は意地になった。自分の人生を制約している条件を、拒否することにしたのだ。この5年間は、こうしたことと闘う時間だった。最大の障害は、まさに私自身の限界、私が持って生まれた悪条件だった。つまり、私が越えるべき一番高い山は「私自身」だったのだ。

 私は「特別に強い人間」ではない。ただ、やりたいことがあり、それに没頭しただけだ。自分の限界にぶつかって傷つき、何度も挫折したが、それで終わりだとは思わなかった。再び起き上がるたびに、少しずつ打たれ強くなった。

 最初のうちは何ひとつ取り柄のない自分が嫌だったが、次第に自分自身に内在する「潜在力」を確認し、自分への信頼や愛情を取り戻すことができた。そして、こうした情熱や可能性は、私だけでなく、すべての一般の人たちにも潜んでいる偉大なエネルギーだということに気づかされた。

 本書を読む人々が、自分たちの人生に潜んでいる可能性を発見できたら幸いだ。誰にでも、自分が望む人生を生きる権利がある。

私たちには自分自身を、
運命を、
限界を変える力があるのだ。

(本原稿は書籍『勉強が一番、簡単でした 読んだら誰でも勉強したくなる勉強法』のまえがきです)