倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#51Photo:amtitus/gettyimages

メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#51では、第28弾として、滋賀県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

滋賀県でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
滋賀銀行、滋賀中央信金が倒産させた企業は何社?

 昨年6月、滋賀県内で唯一の地方銀行、滋賀銀行で7年2カ月ぶりにトップ交代があった。専務を務めていた久保田真也氏が頭取に昇格した。

 久保田氏は、資本コストや株価を強く意識している。財務指標の中では株価に直結する自己資本利益率(ROE)を重視しており、今年3月に発表した中期経営計画(2024年度からの5年間)で、これまでの長期目標「ROE5%以上」を「8%以上」に引き上げた。現在0.5倍を下回る株価純資産倍率(PBR)の向上を目指す。

 背景にあるのは、投資家の圧力だ。例えば「物言う株主」英シルチェスター・インターナショナル・インベスターズが、滋賀銀行の大株主として、22年に特別配当を求める株主提案を出している。

 PBR1倍を大きく下回る現状に、多くの株主が不満を持っている。経営効率を改善し、現在の安過ぎる株価から抜け出せるかどうか。今年は久保田氏の経営力の真価が問われる年となる――。

 経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。

 メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。

 今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなることは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。

 メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。

 第28弾の今回は、滋賀県の金融機関を取り上げる。滋賀銀行のほか、滋賀中央信用金庫など信用金庫も名を連ねた。

 ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。

*「メインバンクとして倒産させた社数の合計」は2020年1月~23年11月の合計値で、ダイヤモンド編集部調べによる推計。負債総額1000万円以上、法的整理による倒産が対象。都道府県別の倒産社数の合計は、金融機関の本店所在地ベースで数えた。例えば、東京都に本社を置く企業が倒産してもメインバンクが埼玉県の銀行なら、埼玉県の倒産社数としてカウントしている。主な金融機関の内訳で省略した都市銀行は、東京都が3行、大阪府が1行。政府系金融機関二つと信託銀行1行、その他の金融機関(旧長期信用銀行)2行は、いずれも東京都

 ランキングは、これから数十回にわたって配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の滋賀県の結果を確認していこう。