メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#50では、第27弾として、三重県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
三重県でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
百五銀行、三十三銀行が倒産させた企業は何社?
十六銀行(岐阜県)、七十七銀行(宮城県)、八十二銀行(長野県)、百十四銀行(香川県)……。地方銀行には行名に数字が入っている「ナンバー銀行」が多い。
渋沢栄一が国内で最初につくった銀行、第一国立銀行(現みずほ銀行)から設立順に、ナンバーが振られた名残である。
ちなみに、こうしたナンバーは必ずしも設立当初のままではない。例えば長野県のトップ地銀、八十二銀行は1931年に、第十九銀行と六十三銀行が合併してできた銀行である。19+63で82という行名にしたわけだ。
さて、今回の記事で取り上げる三重県には、百五銀行と三十三銀行、二つのナンバー銀行がある。実は同じ都道府県の中に、複数のナンバー銀行が存在するのは三重県だけ。
なお、三十三銀行は2021年5月に、三重銀行と第三銀行の合併で発足した。なぜ三十三?と思われるかもしれないが、「三」重銀行+(プラス)第「三」銀行で、三十三という新ナンバーが作られた。
言葉遊びのようでもあるが、この数字には三重銀行と第三銀行、それぞれの強みを足し合わせ、地域と共に成長し未来の創造に貢献したいという思いが込められているという。果たして、名前に実態は伴っているか――。
経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなることは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。
第27弾の今回は、三重県の金融機関を取り上げる。百五銀行、三十三銀行のほか、桑名三重信用金庫など信用金庫も名を連ねた。
ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、これから数十回にわたって配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の三重県の結果を確認していこう。