開業直後のインドネシア高速鉄道に乗ってみた

 先日、ジャカルタ滞在中に、筆者もインドネシア高速鉄道に乗ってみることにした。開業直後のキャンペーン料金は、ジャカルタ→バンドンが片道15万ルピア(約1440円)で、通常料金はまだ発表されていない。採算が取れるのか、見通しはまだまだ未知数だ。

 10月21日の早朝、ジャカルタ中心部のホテルから配車アプリ「Gojek」で手配した車に乗り、高速鉄道の駅に向かった。高速鉄道の駅はジャカルタ郊外にあるからだ。

 市内の高層ビル群の間から太陽が上っている。もやがかっているのは大気汚染のせいなのだろうか。高速道路の舗装が良くなく、車はガタガタと揺れる。「ブーン」とけたたましいエンジン音を響かせてバイクの群れが並走している。車窓から「私のご飯」という看板が見えた。この国で日本のソフトパワーは根強く、こうして日本語で書かれた宣伝文句を目にする機会も多い。

 車が目的地に着き、ドアを開けると迎えてくれたのは野良猫だった。見上げると、ピカピカで、空港と見まがうほどの巨大な建物がそびえ立っていた。ジャカルタ側のターミナル、ハリム駅だ。郊外にある巨大駅、まさに中国の高速鉄道を思い出させる。

 乗客とおぼしきインドネシア人たちが、あちこちで記念撮影をしている。SNSにアップするのだろう。人生で初めて高速鉄道に乗るという人も少なくないはずだ。

ハリム駅で記念撮影をする人たち。ハリム駅で記念撮影をする人たち Photo by T.M.