「菊盛」は、契約農家が育む山田錦やひたち錦、美山錦や五百万石を中心に、山廃の酒、季節の生酒などを醸し、その全てが純米酒だ。また、低アルコールで白麹やホップを用いた微発泡酒などにも挑む。酒蔵見学を受けない蔵が多い中、木内さんは造り手が原料や技術を伝え、酒を味わってもらうのが一番と考える。日本酒とウイスキーの製造所には、売店と飲める場が併設され、食と酒を合わせて楽しめる。バスツアーの締めには、日本酒と共にビール麦の裏作の地元産常陸秋そばを提供するのも木内さんのこだわりだ。常陸国風土記で常世(とこよ)の国と呼ばれた常陸野は「海山の産物も多く、人々は豊かに暮らし、常世(極楽)のようだ」と記された。この地でしかできない酒と食の体験、木内さんの熱い思いを乗せてバスは走る。

新日本酒紀行「木内酒造」木内 淡雫HOPS
●木内酒造・鴻巣の蔵 茨城県那珂市鴻巣1257●代表銘柄:菊盛 純米吟醸、菊盛 辛口純米酒、菊盛 山廃原酒、菊盛 純米酒●杜氏:中村幸代●主要な米の品種:山田錦、ひたち錦、五百万石、美山錦、愛山
新日本酒紀行「木内酒造」専用タンブラーで飲む Photo by Yohko Yamamoto
新日本酒紀行「木内酒造」専用タンブラーで飲む Photo by Yohko Yamamoto
新日本酒紀行「木内酒造」「常陸野ネストビール」のネストにちなみ、バスの車内は鳥の巣をイメージしたデザイン Photo by Kiuchi Brewer