年功序列で誰もが管理職になれた時代から、実績と能力で厳しく選抜される時代に変わりつつあります。そこで問われるのが管理職としての資質ですが、その有無は「会議でのちょっとした発言」ですぐ分かります。口数が多くても管理職としての資質がない人、寡黙ではあっても管理職としての資質を感じる人。そこには、明確な違いがあるのです。(アークス&コーチング代表 櫻田 毅)
管理職候補になれる人と
このままではダメな人の差は?
ある企業の役員Mさんから次のような話を聞きました。
課長の頃から、重要なことを決めるときには会議で部下の意見を聞くように心がけている。結果的に、自分が考えていたままの結論を出すことが多いのだが、話を聞きながら修正することもある。ただ、部下の発言を聞いているうちに、将来の管理職候補だと思える人と、このままではダメだなと思える人がいるのも事実である。
これは私にも経験があります。自分自身の意思決定の質を高めるために、私も重要なことほど部下に相談していました。そして、彼らの発言を聞いていると、Mさんと同じように、将来、チーム運営を任せられそうな人と、そうでない人が見えてくるのです。
その違いは何か?――この点に関して、Mさんと私の見解は完全に一致していました。押しの強さや口数とは関係ない、ある共通の特徴です。