「あの人はいつも言い訳ばかりする」と思われている人がいる。実は多くの場合、本人はそのことに気付いていない。言い訳は周囲の意欲を下げ、組織の成果を低下させる。「言い訳ばかり」の人にならないためにどうすればいいのだろうか。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
「○○ガチャ」に覚える違和感
「親ガチャ」「隣人ガチャ」「就職ガチャ」などなど……○○ガチャという表現が、SNSなどで使われることが多くなった。
もちろん、本当に親や会社などに問題があることもあるだろう。
しかし私は、この○○ガチャという表現に、言い訳じみたニュアンスを強く感じてしまう。加えて、親が、周囲の人が、会社が悪いから、自分ができなくてもしょうがないという諦めの気持ちが見え隠れする。
こう考えると、○○ガチャという言葉には、諦めの気持ち、ひいては、言い訳になるような状況を正当化してしまうパワーがあるように思えてならない。この言葉が浸透すればするほど、言い訳が正当化されてしまうことを、私は強く危惧している。
多かれ少なかれ、言い訳ばかりする人がいるものだ。
「うまくいかなかったのは、○○さんのせいだ」「成果につながらなかったのは、顧客の問題なのでしょうがない」と言い訳じみた発言ばかりする人は、周囲を陰鬱にし、チーム全体のモチベーションを下げて、組織の成果を低下させる。
さらにたちが悪いことに、周囲からこの人は言い訳ばかりすると思われている人のほとんどは、無意識のうちにこうしたことを口に出しているので、言い訳している自覚がないことが多い。
こうお話しすると、自分は大丈夫だろうか……と不安になる人がいるかもしれない。
実は、「いつも言い訳ばかり」と周囲から思われている人の言動には、いくつかの特徴がある。そして、それらの点を改善すれば、誰でも時間をかけずに、言い訳にならない発言ができるようになる。