組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿#5Photo by Hirobumi Senbongi

「日本農業新聞」は、米価運動や、自由貿易反対の運動が華やかなりしころ、JAグループの機関紙として存在感を発揮した。だが、農政運動が下火になるにつれ、存在意義を失いつつある。特集『組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿』(全17回)の#5では、農協役職員アンケート(有効回答数434人)の結果に基づき、日本農業新聞に対する農協からの支持率などを大公開する。新聞の拡販を担っている農協役職員は辛辣な意見を持っているようだ。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)

「最近の紙面の劣化は目に余る」と厳しい意見
一方、「御用新聞になってはいけない」の声も

 ダイヤモンド編集部は、農協の役職員にJAグループの上部団体への評価を聞く「農協役職員アンケート」を実施した。同アンケートは、(1)全国に約500ある農協の法人登記に代表理事などとして住所の記載があった農協の組合長、会長らにアンケート用紙を郵送、(2)インターネットで広く回答を募集――という二つの手法で行い、合計434人から回答を得た。

 ダイヤモンド編集部は、農協役職員アンケートに基づき、JAグループの主要12組織(JA全中、都道府県の農協中央会、JA共済連、農林中央金庫、JA信連、JA全農、JA経済連、日本農業新聞、家の光協会、JA全厚連、全国農政連、みのり監査法人)の支持率を算出した。

 全ての組織において、農協幹部(組合長など)からの支持率より、農協職員からの支持率の方が低くなったが、とりわけ「日本農業新聞」の前者と後者の支持率の格差は31ポイントもあり、12組織中、共済連に次いで2番目に差が大きかった。

 JAグループの機関紙を職員に購読させることで、農協の組織力を高めたい幹部と、自ら日本農業新聞を購読するだけでなく、組合員に拡販しなければならない職員との間には、相当な温度差があるようだ。

 次ページでは、日本農業新聞に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを大公開する。