日銀短観などでも24年度高い伸び
設備投資にも新たな潮目の変化?
2024度の企業経営益は増収減益の見通しが多いが、設備投資の計画は旺盛だ。
1~3月期の法人企業景気予測調査の24年度設備投資計画を見ると、収益計画が増収減益となる中、GDP統計の設備投資の概念に最も近い「ソフトウェアを含む設備投資額(除く土地投資額)」は全産業合計で前年度比+7.5%と、23年度計画(同+9.3%)に引き続き高い伸びだ。
今月公表された日本銀行の3月短観の設備投資計画でも、企業収益計画が増収減益となる中、全規模合計で24年度当初計画にもかかわらず前年比+5.8%と、高い伸びとなった23年度の当初計画(同+5.6%)を上回る伸びとなっている。
日銀短観結果から独自試算すると、24年のGDP統計での設備投資額は108.0兆円にまで拡大する計算だ。これが実現すれば、これまで最高だったバブル末期の1991年度の102.7兆円を32年ぶりに上回って、設備投資額は史上最高を更新することになる。
春闘賃上げが33年ぶりの高い賃上げ率になるなど、日本経済の潮目の変化を感じさせる動きは他にもあるが、設備投資にもようやく新たな潮流が起きている気配だ。