米国の富裕層の間では、自国以外の海外資産を組み入れるグローバル投資の動きが、以前にも増して加速しているという。日本と海外の投資・経済を知り尽くした金融マン待望の初著書『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)では、富裕層がやっている国際分散投資を、一般の個人投資家に向けてわかりやすく解説! 投資バランスは「保守:積極:超積極=5:3:2」、1銘柄の投資額は資産全体の4%以内で、資産全体の2割は現金買付余力に――など、「これならできそう」「続けられそう」と思えるグローバル投資の秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、グローバル投資の極意をわかりやすく伝授する。
おすすめ銘柄トップ10
グローバル投資におすすめしたい銘柄トップ10を紹介したいと思います(グローバル投資でおよそ半分を占める米国株については、すでに多くの情報がメディアにあふれており、本書の主旨からも外れますので割愛します)。
トップ10銘柄のセクターはさまざまですが、いずれもこれからの世界の経済と社会でますます重要になる「2大テーマ」(社会的インフラ・格差社会)に関わっているという共通点があります。
おすすめ銘柄③
ボーイングと
つばぜり合いを続ける
銘柄名 エアバス(EADSY)
3つの事業で構成される。エアバス事業は、民間航空機・航空機部品の開発・製造・マーケティング・販売、航空機の改造および関連サービスを担う。エアバスヘリコプター事業は、民間・軍用ヘリコプターの開発・製造・マーケティング・販売、ヘリコプター関連サービスの提供を担う。エアバス防衛・宇宙事業は、軍用戦闘機・訓練用航空機の製造、防衛用電子機器・セキュリティ市場ソリューションの提供、ミサイルの製造・販売を担う。
航空機メーカーの2強といえば、エアバスとボーイング(BA)が知られています。
特に両者が得意とする大型の旅客機は、部品総数が200万点を超える極めて複雑な製品であり(自動車の部品点数はおよそ10万点)、それだけ参入障壁が高く、この2強の争いは今後しばらく続くと考えられます。
日本ではボーイングのほうが有名かもしれませんが、1999年には販売受注数でエアバスがボーイングを初めて上回り、以降はつばぜり合いを繰り広げています。
ナローボディ機に強み!
多くの日本人は、国内線でも国際線でも、機内の通路が2本で、座席数230席以上のワイドボディ機に乗り慣れています。
しかし、世界的には機内の通路が1本で、座席数100~230席程度のナローボディ機の需要が伸びています(ちなみに、機内の通路が1本で、座席数100席未満のものは、「リージョナルジェット」といいます)。
アフリカなどの新興国、LCC(ローコストキャリア)、国内の中規模都市同士を結ぶニーズには、ナローボディ機が適しているのです。
メガヒットの航空機
ナローボディ機は、コックピットのデジタル化などで機体が扱いやすく、燃費もボーイングよりも総じてよいことなどから、エアバスを選ぶ航空会社が増えています。
特にエアバスA320ファミリーは、受注が1万5000機を超えるメガヒットになっています。
その対抗馬となるボーイングの最新機ボーイング737MAXは、立て続けに墜落事故を起こし、信頼を失墜させ、同社の業績の足を引っ張っています。
国際航空貨物の
需要増にも期待
エアバスが運んでいるのは、人間だけではありません。モノのグローバル化を背景に、航空機による国際物流のニーズが高まると、エアバスの成長性もより高まるでしょう。
また、宇宙と軍事の分野でも2割程度の売り上げを計上しており、ヘリコプター事業にも強みがあります。
※本稿は、『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。