JR西日本で近畿大学が2位
より関西色が強くなった

 JRは、主力事業である鉄道運行の営業エリアが決まっているため、それに応じて採用も地域性が反映されやすい。

 23年のランキングでは、JR東日本では日本大学が1位を維持したが、前回8位だった芝浦工業大学が2位に上昇した。同様に、前回8位だった早稲田大学が3位になった。

 東京都、群馬県、宮城県、新潟県、茨城県などの東日本・東北地方の国公立大学が中心で、私立ではMARCH勢が上位にきている。

 JR東海は1位が名城大学で変わらず、2位が前回4位の芝浦工業大学、3位が前回2位の日本大学だった。

 東京都と大阪府を結ぶ東海道新幹線を主力事業とする同社については、名城大学、名古屋大学、中京大学といった愛知県の大学が採用の中心だが、関東の私立である慶應義塾大学や中央大学、関西の私立である関西大学や関西学院大学などもランクインしている。

 JR西日本は、1位が京都大学、2位が近畿大学、3位が大阪大学だった。前回ランク外だった神戸大学が4位に、また前回5位だった近畿大学が2位に浮上するなど、より関西色が強くなっている。

 3位以下を見ても、同志社大学や立命館大学、龍谷大学、大阪工業大学や大阪産業大学といった関西の私立が多い。

不動産とリテール
新たな収入源の人材が必要

 鉄道は将来、人口減少により利用客数が減る見込みだ。そのため、鉄道各社は新たな収益源を見つけるために、鉄道以外の事業に目を向けている。

 例えば、マンションや一戸建て、駅ビルやオフィスビル、沿線開発などの不動産開発が安定したビジネスとされている。これらの事業に関連する人材の需要は依然として高い。

 さらに、非鉄道事業の注目すべき分野としてリテール(小売り)ビジネスがある。駅ナカの商業施設がその代表例だ。ここでは、スーパーバイザーや商品開発、店舗開発など、リテール業界に特化した能力を持つ人材が求められる。

 将来は、不動産開発とリテールビジネスを重視した非鉄道事業がますます増える可能性が高いと考えられている。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
医科・歯科の単科大等を除く全国749大学に2023年春の就職状況を調査。567大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」、京都大学は「京都大学新聞」より集計。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しており、正式名称と異なる場合がある。(調査/大学通信)