まず1つ目は働き方の多様化です。

 新型コロナウイルスをきっかけにリモートワークや在宅勤務の形態が広がりました。それによりチームのメンバーと顔を合わせる時間が減った人は多いはずです。

 以前なら会社で机を並べ、仕事ぶりを見たり、何か困っていたら声をかけたりできたのですが、その機会は限られます。チームメンバーの状況を把握しにくいわけです。

 2つ目はメンバーの多様化です。

 自分が年齢を重ねるにしたがい、新しい世代の若者が増えてきます。たとえば「Z世代」はインターネットが普及する時代に生まれ、デジタルネイティブとも呼ばれる世代です。

 自身とは異なる時代を生き、仕事に対する考え方や価値観が異なるため、コミュニケーションをとることは容易ではないでしょう。

 年下ばかりでなく、年上も増えています。年齢が上だと気を遣って言いたいことを言えなかったり、接し方によっては反発を招きやすかったりするのです。

 さらにメンバーに外国人がいることも考えられます。文化や習慣の違いを認識しなければ誤解を生み、上手く意思疎通が図れないこともあります。

 3つ目はハラスメントに対する意識の高まりです。

 近年、パワハラ、セクハラ、モラハラと企業の中にもハラスメントに対する意識が高まってきました。

 これにより、リーダーがメンバーに対して、ハラスメントにならないように慎重な姿勢となり、「言い方が難しい……」「どこまで言ったらいいかわからない……」と躊躇し、社員の育成を困難にしています。

 最後の4つ目は管理職の忙しさです。

 リーダーの多くはマネジメントだけに専念できず、多くがプレイヤーとしてマネジメントも行うプレイングマネージャーです。プレイヤーとして一定の成果を出しながら、マネージャーとして会議や社内への報告事項も多く、大量のタスクと大きな責任を抱えています。