バブル絶頂期の日経平均株価
(終値ベース)

2024年2月22日、日経平均株価はついに、バブル絶頂期の1989年12月29日に記録した最高値を更新した。実に34年ぶりである。
もちろん、日本を除く多くの国ではインフレが常であり、名目値である株価の最高値更新も日常風景だ。また、かつての最高値であった3万8915.87円はバブル期の瞬間風速にすぎない上、当時と構成銘柄も異なるため、現在の株価と比較する本質的な意味はない。それでもなお、日経平均株価の最高値更新を経て、名実共に日本が「失われた30年」を終えたことには疑いの余地が小さい。
元をたどれば、失われた30年の端緒はバブル崩壊だ。資産価格の下落によって担保価値を失った日本企業が債務返済を強いられた結果が、雇用や設備投資の削減であり、需要不足故のデフレである。