巨大テクノロジー銘柄は米株式市場で存在感が突出するだけではない。米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を長期にわたり高水準に維持する見通しへの投資家の懸念も覆い隠している。S&P500種指数を構成する平均的な銘柄が国債利回り上昇で打撃を受け、また利回り低下で恩恵を受ける度合いが現在ほど大きいことは今世紀においてなかった。ただ、金利見通しが同指数そのものに与える影響ははるかに小さい。なぜなら、時価総額を加重平均して算出する通常のS&P500種指数に占める比率が極めて高い巨大テック企業は保有する潤沢な現金によって、FRBの影響から隔離されているためだ。人工知能(AI)を巡る熱狂がエヌビディア、マイクロソフト、アップル、アルファベットのテック4強の株価を年初から押し上げてきたことは、前回の当コラムで説明した。しかしながら、S&P500種指数自体と平均的な構成銘柄との間でバリュエーションと金利感応度の両面において極めて異例となる差が生じており、これは景気とFRBの動向を注視する「マクロ」投資家が重視する指標を巨大テック銘柄がいかにゆがめているかを示している。