米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の利下げへのアプローチ、すなわちインフレ率が低下し続けるとの予測に基づくアプローチは、「信頼せよ、されど検証せよ」の一言で言い表せる。FRBは12日、政策金利を据え置いた。しかも、先週利下げを開始したカナダ銀行(中央銀行)や欧州中央銀行(ECB)のように早期利下げに備えている形跡はほぼ見られなかった。FRB高官の大半は、年内残り4回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを1回か2回行う可能性があると予測し、9月以降の利下げ開始を示唆した。同日発表された5月の米消費者物価指数(CPI)で物価上昇圧力の緩和が明らかになったというのにだ。パウエル氏は記者会見で、「インフレが持続的に低下していることを確信できるようなものを探している」と述べた。会見では、「確信」を意味する「confident」または「confidence」という単語を20回も使った。
FRBのトラウマ、早期利下げにブレーキ
インフレ予測と利下げに関するパウエル議長のアプローチは「信頼せよ、されど検証せよ」に等しい
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