図表:投資部門別株式保有比率の推移(1987~2022年)投資部門別株式保有比率の推移(1987~2022年) 拡大画像表示

 図表はJPX(日本取引所グループ)による上場企業の年次調査をもとに、1987年から2022年までの日本企業の株主構成の変化を示したものだ。一番上の1987年はバブル経済が始まった年であり、株主のうち、大手銀行、その他の金融機関(生命保険会社など)、一般企業(事業法人)を合わせると64.2%だ。

 それに対して、一番下は2022年10月(2022年度末)の株主構成だ。かつての3大株主は合計で26.6%にすぎない。代わって、海外投資家といわゆる信託銀行が50%以上を占める。「信託銀行」は、年金基金や投資信託などを含む国内外の機関投資家を代表するカテゴリーだ。特筆すべきは、こうしたデータが現在のJPX全上場企業の平均であることだ。JPX400銘柄、あるいは、東証プライム銘柄に限れば、海外投資家と機関投資家の比率はさらに高くなる。

 この新しい株主構成は昭和の伝統的企業(JTC=Japanese Traditional Companyの略)にとっては脅威に、改革推進派には好機となる。

 新たに透明性が求められ、潜在能力を下回る業績の企業をごく簡単に特定できるようになった。これに食いついてくるのがアクティビストだ。業績不振の企業に投資し、収益性を高めるように経営陣に改革を迫ることに収益機会を見いだす。ハゲタカ投資家の場合、経営陣の解任、人員整理や解雇、さらには敵対的買収も含めて、抜本的な改革を迫ることもある。