さらには4月9日のデイリー新潮の記事でも、匿名の軍事ジャーナリストが「私も動画を見ましたが、フェイクの可能性が高いと思います」「まず、報道に至るまでの経緯が重要でしょう。ドローンを操縦したことがある人ならご存知だと思いますが、飛行時は結構な音がします。あの動画が実際に撮影されたものなら、いずもの乗組員や基地の隊員は音などの異変に気づいたはずです。さらに航空法違反は明確ですし、海上自衛隊の護衛艦の上を飛んだという事実は看過できませんから、海自か神奈川県警がドローンの飛来を広報し、それを日本のメディアが報じたはずです」とコメントしている(デイリー新潮「中国のスパイドローンが『護衛艦いずも』を撮影?SNSで拡散する動画に専門家は『飛行甲板に注目すべき』」)。
防衛大学に留学し、いずもに密着取材もしている、朝日新聞きっての軍事専門記者である編集委員の土居貴輝氏も同様だ。彼は2024年5月6日に『「いずも」ドローン動画はフェイクか 「情報戦」をしかけられた日本』という記事を掲載し、まるでフェイクである可能性も十分あるかのような匂わせを行った(朝日新聞デジタル「『いずも』ドローン動画はフェイクか 『情報戦』をしかけられた日本」)
「もう騒がなくてもいい」
現実逃避のような投稿も
また、フェイク説を唱えたわけではいないが、東京大学先端科学技術研究センターの創発戦略研究オープンラボに所属する稲葉義泰氏に至っては、「ドローンの件、もう普通に無視でいいのでは。こう言うとまたアレですけれど、とくに騒ぐことでもないというか、粛々とやればいいのであって」「「いずも」のドローンの映像の件で、「重要なのはこれでテロができることが分かったことなんだ!」みたいな意見が出てきていて、なんだかなぁと」と現実から逃避するような投稿を行っている。しかも、なんと氏は5月上旬にドローンをテーマにした講演会を行っており、一貫性が見られない。
https://x.com/japanesepatrio6/status/1775138345041240224
https://x.com/japanesepatrio6/status/1773981395423207779
他方で、この一件が事実だと早々に見抜いた専門家は、慶応義塾大学SFC研究所上席所員の部谷直亮氏や、後にとりあげる量産型カスタム師(ex.氏)、日本大学客員研究員の山田敏弘氏など、ごく少数であった。