※ダイヤモンド・オンラインで「今こそ読みたい1記事」をお届けします。今回は、7月3日の新紙幣発行を記念して、2023年11月19日に公開した記事をもう一度、紹介します。
2024年7月前半をめどに、新しい紙幣がお目見えする予定だ。これを記念して「新しい日本銀行券2024~匠の技とデザイン」という特別展が東京・日本橋の日本銀行金融研究所にある「貨幣博物館」で開催されている。貨幣の歴史や偽造防止技術が展示されていて結構、見応えがある。ついでに、「渋沢翁のテーマパーク王子飛鳥山」まで足を伸ばしてみると、面白い発見がたくさんあった。(コラムニスト 坪井賢一)
渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎が新紙幣の顔に
2024年にF券発行、規則的な改刷は3度目
貨幣博物館の特別展は、古代・7世紀の富本銭と8世紀初頭、律令国家設立時代の貨幣である和同開珎(708)から展示が始まる。貨幣の流通で定期的な市(いち)も普及し、市場経済が拡大していくのがこの時代である。
そして古代から中世へ、中国から貨幣の輸入、国内の鉱山の開発、金貨・銀貨の発行、戦国時代を経て江戸時代の通貨統一、各地藩札(紙幣)の発行と続く。さらに近代化後、明治の日本銀行券(いわゆる紙幣)による独占的な貨幣発行へ、1300年間の経済史を駆け足で学ぶことができる。