怪我や病気を自分で治す動物がいる!新薬発見につながる「驚きの行動」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

チンパンジーは植物で
自分のケガや病気を治療する?

 野生のチンパンジーは、体調がすぐれないときやケガをしたときに、薬効のある食用植物を意図的に選んで摂取している可能性のあることが、英オックスフォード大学のElodie Freymann氏らによる研究で明らかになった。

 ウガンダの2つのコミュニティーに属する51頭のチンパンジーの行動観察と、薬効を持つ可能性のある植物の薬理学的調査を組み合わせたこの研究の詳細は、「PLOS ONE」に6月20日掲載された。

 野生のチンパンジーはさまざまな植物を摂取するが、その中には栄養価は乏しいが病気の症状の緩和や治癒に役立つ可能性のある植物も含まれていることが知られている。

 しかし、チンパンジーのこの医療行為ともいえる摂食行動が、病気を治すための意図的なものなのか、それとも摂取したさまざまな植物の中にたまたま薬効のある植物が含まれていただけなのかは明確になっていない。

 この点を明らかにするために、Freymann氏らはまず、ウガンダのブドンゴセントラル森林保護区の2つのコミュニティーに属する51頭の野生のチンパンジーの行動を観察した。