ますます過熱する中学受験。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』が発売に。本書より抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介する。

【中学受験】「共学校」でも募集定員が男子のほうが多い理由Photo: Adobe Stock

共学校を志望する理由は男子と女子で異なることが多い

 共学校のメリットは、実社会と同じバランスで、男女が行動を共にできるということです。男女の距離感やコミュニケーションの取り方などは、男女別の学校よりも大きく育まれます。また、恋愛経験を積みやすい環境にあり、その後の人生においても色々な影響を及ぼします。

 共学校を志望する理由は男子と女子で異なることが多いようです。女の子は「小学校でもいつも男子と遊んでいる」「女子はじめじめしていて嫌だ」といったさっぱりしたタイプが多いですが、男の子は「女の子が好きだから」という子が多い傾向にあります。

 ただし中学生の時点では精神年齢に男女差があり、男女同数のクラスでは女子が主導権を握ることが多くなります。そのため、男女バランスを考慮し、男子の募集定員を多くしている学校もかなりあります。たとえば「慶應中等部」(募集定員が男子約120名 女子約50名/2024年度)は男子の定員が女子の2倍以上です。

共学なのに授業は別の「男女別学」というタイプも

 耳慣れない言葉かもしれませんが、同じ学校で男女が別々に授業を受ける形態を「男女別学」と呼びます。男女を別学にする理由として、中学校入学時点での男子と女子の成長度合いの乖離にそれぞれきめ細かく対応するという理念があります。海外でも、性差の脳科学的なデータを取り入れ、男女別学を採用している例があります。
男女別学と一口にいっても、その種類は様々。

「桐光学園(神奈川県)」や「国学院久我山(東京都)」は完全別学で、授業は6年間別々ですが、部活動や学校行事は男女一緒になります。一方、「西大和学園(奈良県)」は中学の間は別学ですが、高校から共学になります。

 イメージがわきにくい場合は、文化祭などで高校生に聞くとその実態がわかります。

*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。