15歳未満なら、長期休みに
ジュニアキャンプに参加する形になる

 フィリピンに子供だけで留学をするには、高いハードルが一つある。それは「WEG」と呼ばれるビザのような存在で、15歳未満が単独で入国するためにはこの取得が必須なのだ。いくつかのフィリピンに詳しい留学エージェントからも、WEG取得が煩雑、かつ不明瞭で、大使館から何度も差し戻されることで有名な手続きであることを聞かされた。無事に取得ができても、この書類を「入国の際に、適切に提示し、適切な費用を支払い、必要な質疑応答に答えなければならない」のだという。仮に保護者が書類を事前に用意できたとしても、これから英語を習得するという子供が、単独でこの入国時のステップをこなすのは不可能に近い。

 このように、書類準備と入国の面で、各家庭での準備が極めて厳しいという事情から、15歳未満の子供が単独でフィリピンに留学する場合には長期休暇に開催される、キッズ・ジュニアキャンプへの参加が現状的な選択となっている。

 こうしたキャンプでは、ほとんどすべてのケースで、事前に書類準備をフルサポートし、成田空港、関西空港などの国内空港から日本人スタッフが引率をして入国をする。よって、開催の時期や参加人数が限られ、すこし割高であってもすぐに満席になる現状がある。

高校生以上なら、時期を問わず
単独留学を検討できる

「15歳未満は専用書類が必要」という規則を逆から眺めれば、15歳以上の高1、高2、高3生はキャンプに参加せずとも、好きなタイミングでのフィリピン留学が叶うことが多い(一部、15歳になった中学生も扱いがある)。

 それぞれの成長過程でどれだけ毎日の生活を自分でできるかによるが、個人的には、お子さんが高校生なのであれば、フルサポートのジュニアキャンプのようなところに入るよりも、現地空港までの移動は単独で頑張り、最低限のサポートだけ付けて、多国籍な環境で試行錯誤する英語学習体験の方が、人生の糧になると思う。

 心配であれば、学校の選び方次第で生活のサポートだけ付けることもできる。例えば、日系の学校であるFirst English Global College(https://www.firstcebu.com/)では、学校校舎から車で5分程度の場所に寮として一軒家があり、こちらで他の生徒、英語を話すフィリピン人スタッフと共同生活が送れる。同じ部屋にガーディアン※が共に寝泊りするため、日々の生活でも英語が使えるほか、いざという時に病院につれて行ってもらえたりと安心だ。

※ガーディアンは後見人、守護者などの意。留学する学生の後見人という立場で、万が一の緊急事態などに対応してくれる。