正解は、買い。
A社の今期業績はV字回復の予想
前期は不採算事業から撤退したために「特別損失」が発生して大赤字。でも今期は不採算事業の損失が無くなる上に、既存事業が伸びて、利益急回復の見込みです。
特別損失:
撤退する事業で使用していた設備を除却することで発生する「固定資産除却損」や、解雇する従業員に支払う「特別退職金」など。
A社株はPERから割安と判断される
株価は26日に281円(20%)も上昇しているが、それでも急騰後の株価1682円で計算されるPER(株価収益率)は10倍。割安と判断されます。
PER
=株価÷1株当たり利益
=1682円÷168円
=約10倍
PER(株価収益率):
1株当たり利益に対して株価が何倍であるかを示す指標。倍率が低いほど株価は割安。
PER=株価÷1株当たり利益
株価が急騰を始めてまだ初日、好材料が新しい
「前日より株価が20%も上がっているから、もう今さら買えない……ここは売り!」と判断した方もいると思います。1日の値動きだけで判断すると、大きな流れを見誤ります。
3月に2200円をつけていたA社株は、業績への不安から1401円まで暴落していました。今期業績が急回復する見通しだとわかったのに、株価はまだ底値からたった281円しか上昇していません。
「業績不振銘柄」から「業績好調で割安な銘柄」に評価が変わったばかりであり、急騰初日は、ぜひ買っておきたいところです。
「詳細がわからないので様子見」の判断は誤りではない
「売り」は明らかに悪手ですが、「様子見」は必ずしも悪手とは言えません。詳しいことがわからないうちは手を出さないという考えも、間違いではありません。
(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです)