65歳以上の介護保険料「制度開始から2倍」に、担い手が57万人不足する介護システムの処方箋Photo:PIXTA

保険料は全国平均で月額6225円に
最高の大阪市は月9249円

 厚生労働省によると、第9期介護保険事業計画期間(2024~26年度)における介護保険の第1号保険料(65歳以上に課される保険料の基準額)は、全国加重平均で月額6225円。介護保険が導入された第1期(00~02年度)は2911円だったから2倍以上になった。

 少し古いが、内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省が連名で2018年5月に公表した「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」によれば、1号保険料は40年度に18年度賃金換算で約9000~9200円に上昇すると見込まれている。そこで想定されている賃金上昇率から計算すれば、1号保険料は40年度には名目額で1万5000~1万6600円程度に達することになる。

 現在、1号保険料は介護給付費の2割強を賄っているにすぎないが、介護に要する総費用の増加とともに保険料が高騰していけば、高齢者はその負担にいずれ音を上げるだろう。また、第9期の保険料を見ると、最低は東京都小笠原村の3374円、最高は大阪府大阪市の9249円であり、2.7倍もの格差がある。

 その一方で介護人材の不足も深刻で、今後、40年度までに約57万人の人手を確保する必要があるという。高齢化による介護需要の高まりを考えると、持続性を確保するために介護システムの再構築が急務だ。