ますます過熱する中学受験。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』が発売に。本書より抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介する。
「過去問」は“ダウンロード”だけでは不十分
先日、「最近の受験家庭は“赤本”(過去問題集)をあまり買わない」という話を聞いて非常に驚きました。そのため、売れ残った赤本は、タイトルになっている学校に出版社が買い取ってもらうこともあるそうです。
赤本を買わずして一体どのように志望校対策をするのだろう、まさか過去問を解かずに本番を迎えることはないだろう、と色々なことが一瞬で頭をよぎったのですが、よくよく話を聞いてみると今は「インターネットでダウンロードする」など、お金をかけずに入手できる手段が増えたのも要因のひとつ、とのことでした。
赤本は必要不可欠なツール
6年生のEちゃんは早々に第一志望が決まっていましたが、9月半ばになっても第一志望の赤本がありませんでした。他の6年生のご家庭は(5年生のご家庭でも)棚に並んだ志望校の赤本の背表紙が無言で威圧感を与えてくるのですが、赤本がないと焦燥感も湧きません。
「もうさすがに買ってもらってね」と伝えると、2週間後に第一志望の赤本が一冊、本棚に立っていました。
月日は流れ11月。そろそろ第二志望、第三志望の過去問に取りかかろうと思い、どの年から解かせようか判断するために「赤本見せて」と言うと、何とまだ買っていないとのこと。
「え!? どうして!? ここも受験するよね?」と聞くと、お母様が「学校説明会でもらってきたものが一年分あります」といって封筒から出してくださいました。
赤本で気持ちを鼓舞する
実際に過去問に取り組み始めるのは基礎が固まる秋以降、子どもによっては11月頃からということもあります。とはいえ、赤本の役割は、それだけにとどまりません。
問題分析や対策をするために必要なツールであること以上に「自分はこの学校を受験するんだ!」という気持ちを鼓舞する立役者でもあるからです。赤本のない勉強部屋は、受験生の部屋には見えません。
また赤本は毎年6月頃から最新版が出ますが、人気校は売り切れてしまうリスクもあるので、なるべく早めに手に入れておくことをおすすめします。
本書では、過去問をインターネットでダウンロードする方法も推奨しています。しかし、それはあくまで赤本を手元に置いた上での話です。
なぜ赤本が必要なのか、どのように使うのかをなどを本書で解説しています。
*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。