立民代表戦に「壊し屋小沢」が介入、維新は新旧代表に亀裂で野党混沌立憲民主党代表の泉健太(右)と日本維新の会代表の馬場伸幸。立民内では代表を巡り、泉降ろしの口火が切られ、維新内では新旧代表の不協和音が表面化している Photo:JIJI

 前広島県安芸高田市長の石丸伸二による「石丸旋風」が吹き荒れた東京都知事選挙。7月7日の投開票日から20日以上経つのに既成政党はなお終戦処理に追われている。与党第1党の自民党は3選を果たした知事、小池百合子の支援に回ったことでどうにか知事選での“勝ち組”の場所を確保した。しかし、同時に実施された九つの都議補選で8人の候補を擁立しながら、結果は2勝6敗の惨敗。選挙戦全般を指揮した自民党都連会長の萩生田光一は7月16日に辞任した。

「指揮を執った私の責任は大きかった。責任を取らざるを得ない」

 萩生田は都議の経験があり、東京都の選挙を知り尽くしている。ましてや次期衆院選では小選挙区の数が25から30に増える。比例区の東京ブロックの定数も2増の17。選挙事情の激変は必至。萩生田に代わる後任会長には麻生派の元万博相、井上信治でほぼ決まりの情勢だが、実力は未知数だ。

 2009年の衆院総選挙で自民党は東京都の小選挙区で当時の民主党に4勝21敗。首相の麻生太郎は退陣に追い込まれ、民主党への政権交代が行われた。東京の小選挙区の行方は政権の命運を握る。

 対する野党第1党の立憲民主党も“最終兵器”とみられていた蓮舫が石丸旋風の直撃を受けて3位に沈んだ後遺症が尾を引く。都知事選の結果は石丸の約166万票に対して蓮舫は約128万票。この差は衝撃だった。立民も9月に代表選を迎える。今年4月の衆院補欠選挙以来、連戦連勝の結果を出してきた代表の泉健太の続投論にいきなり黄信号がともった。“泉降ろし”の口火を切ったのは長老の小沢一郎だった。