早慶が第一志望でも
MARCH対策を徹底すべし

 また、MARCHに落ちてしまった結果、肝心の早慶を受ける際に自信を失ってしまい、実力を出しきれずに終わる受験生もたくさん見てきました。

 それも無理はありません。MARCHに順当に合格し、安心して早慶の入試に臨む学生。不合格という結果に動揺しながら受ける学生。両者を比べると、どちらが有利かは自明です。受験はメンタルも大事ですからね。

 もし受験生の方が本稿を読んでくださっているならば、「本命」ではない大学を受ける際も、全科目の過去問を数年分解いた上で、必要な時間配分と戦い方を把握しておくのがおすすめです。

 また、多くのMARCHの学部は「英語・国語・選択科目」の3科目を使って受けられますが、実は「英語の配点」が他の科目に比べて高い学部がほとんどです。この仕組み上、どうしても英語の得意な学生が有利になります。

 私が受けた明治の文学部と立教の文学部(史学科)はすべての科目が同じ配点でしたが、そのような大学・学部はどちらかというと少数派です。

 かといって、英語ができれば、他の科目は不得手でも受かるとは限りません。あくまで私の見解ですが、MARCHでは英語以外の科目でもバランスよく7割以上を狙うことが求められます。一つでも5〜6割の科目が出てくると、合格は厳しくなります。

 MARCHの入試では総合力が求められるので、「1科目の能力だけが特出している」「1科目だけ、どうしても苦手な科目がある」という人には不向きだと私は考えます。

 ちなみに、受験生時代の私は「英・国・日本史」で私立大学を受けていたのですが、先ほどもお伝えした通り、どうしても英語が苦手でした。国語と日本史の偏差値こそ、河合塾の模試では安定して60~70台を記録していたのですが、英語の偏差値はいつも50台と苦戦していました。

 MARCHに合格するには偏差値60が目安とされているところ、私の3科目の偏差値は平均すると60を優に超えていたので、模試の判定の上ではいつもA判定でした。立教の文学部に関しては、2017年の第2回全統記述模試で「全受験者中1位」の成績だったこともあります。ですが入試本番では、得意科目で他の科目をカバーできず、立教文学部にも落ちてしまいました。