「いびつな能力値」を持つ受験生でも
入りやすい早慶の学部とは?

 そうした「いびつな能力値」の受験生にとって救世主といえる学部が、実は早慶にあります。それは、早大の教育学部と、慶應義塾大学の総合政策学部・環境情報学部(いわゆるSFC/湘南藤沢キャンパス)です。

 早大の教育学部では、国語国文学科であれば「国語の得点が1.5倍」、数学科であれば「数学の得点が2倍」になるなど、学科の特色に応じた科目に「傾斜」がかかります。多くのMARCHの学部とは異なり、「英語以外の科目」が得意な人にもチャンスが与えられるという、ちょっと珍しい仕組みなのです。その恩恵にあずかって、私は教育学部の国語国文学科に合格できました。

 私の知人にも、2浪して早大の教育学部国語国文学科に合格した人がいます。彼は英語がとても苦手で、2浪目の同学科の入試でも3割しか取れなかったそうです。それでも、得意の国語は満点。世界史では8割を取り、補欠から繰り上がり合格を果たしました。

 実はこの知人も、英語が足を引っ張って「MARCHは全滅した」そうです。それでも、国語という最大の武器を生かして早大に合格できました。もし早大に受かっていなかったら、成城大学・成蹊大学・明治学院大学・獨協大学といった、中堅クラスの私大に進もうと考えていたとのことです。

 上記の他にも、「MARCHに全敗→慶應SFCに合格」という結果だった知人もいます。

 慶應SFCの2学部は、英語と小論文の2科目で受験できるのが特徴です。そのため「英語は抜群に得意だけれど、それ以外の科目はからっきしダメ」「国語の論述は得意だけれど、選択肢解答型(マークシート方式)は大の苦手」といった、「いびつな能力値」の受験生にも合格の可能性が大いにあります。

 彼も「英語以外」の科目が足を引っ張り、MARCHには手が届かず全敗しました。それでも英語という最大の武器を生かして、念願の慶大に進学することができたのです。