親たちが「新しい教育」に
注目するワケ

 親たちが「新しい教育」を子に受けさせようとする背景には、いくつかの要因があります。一言でいえば、社会のさまざまな構造変化、価値観の変化が重なった結果ということになるでしょう。

 大学の入試改革、コロナによる教育現場でのオンライン導入、都内の中学受験ブームに加え、親の世代が実際に働くなかで変化を体感しています。外資系企業の強さ、日本経済の弱さ、年功序列と終身雇用の終わり、ジョブ型の導入、働き方改革などに直面し、転職を経るなどして、これまでのように、「いい大学を出ていい会社に就職する」ことが「幸せ」の絶対法則ではないことを身をもって経験しています。

 それで、子の教育においても変化の激しい時代に対応するためには、従来の教育では足りないと感じ、学力プラスアルファを求めるようになっているのです。

 プラスアルファの部分は、英語力だったり、個性をより伸ばすことだったり、異性とのコミュニケーションの育成だったり自己表現だったりということも含め、従来の学力以外の要素ということです。

「新しい教育」の特徴として、多くの人は、アウトプット型の学習をイメージし、「話せる」英語の習得やプログラミングの強化を挙げるかもしれません。しかし、アウトプットは当然ながら、インプットなしにはできません。