低学年こそ「習慣化」
3、4年生までは計算・漢字に特化

 1問の計算を3分で解く子は、10分あっても3問しか解けません。それが、1分で解ける子なら、10分あれば10問解けることになる。

 基礎学力の差は、最初はわずかに感じるかもしれません。しかし、教科の勉強も課外活動も忙しくなる小学校高学年になると、取り返しがつかなくなります。だからこそ3、4年生までにこうした基礎学力を家庭でつけておくことが大切なのです。

 逆に言えば、低学年のうちは、計算力と漢字力の強化だけで十分です。これらの基礎があってこそ、高学年になってからの新しい学習(資料を読んで分析する力、プログラミング的思考など)にスムーズに取り組むことができるのです。

 大事なのは習慣化です。毎日確実に10分ずつを積み重ねる。短時間に集中して行うことが大切です。

 小さい子は15分以上同じことを続けると飽きてしまい、いやになってしまうので逆効果です。一度拒否感を持つと続けられなくなるので、くれぐれも「10分ずつ」を守って下さい。

「おなかいっぱい」ではなく、「もうちょっと食べたい、もっとやりたい」くらいがちょうどいいのです。理想はある日突然、親が何も言わないのに、子どものほうから「今日はまだ計算と漢字をやってないけど、やらなくていいの?」と言ってくる状況をつくることです。

 もうひとつ注意点があります。勉強の際に、基本的にタブレットは使わず、紙と鉛筆を使うことをお勧めします(識字や、視力の問題がある場合はこの限りではありません)。

 入試は、未だに紙と鉛筆を使って行われます。膨大な問題を解き切る間に鉛筆で字を書き続け、計算できるようにしておくことが、意外に盲点になっています。普段から子どもに紙と鉛筆に慣れさせておかないと、最後まで解き切る(書き切る)ことができなくなってしまうのです。